プロセスアセスメントモデル

Automotive SPICEとは

 Automotive SPICEは、国際規格 ISO/IEC 15504のフレームワークに基づいて策定された車載システム開発向けのプロセスモデルです。
 バージョン3.0以降のAutomotive SPICEは、国際規格 ISO/IEC 33000シリーズのフレームワークに準拠しております。
 SPICEという言葉は、Software Process Improvement and Capability dEterminationの略称に由来しており、当初はソフトウェア開発のプロセスに焦点を当てたものでしたが、現在のAutomotive SPICEでは、ソフトウェアの技術ドメインに限らず、機械システムや電気電子ハードウェアの開発を俯瞰したシステムに焦点を当てたプロセスモデルとして定義されております。
 なお、機械システムおよび電気電子ハードウェアの開発のためのプロセスモデルは、現時点ではAutomotive SPICEとは別で定義されておりますが、Automotive SPICEと組み合わせて使うことのできる構造(プラグインコンセプトと呼ぶ)を採用しております。

Automotive SPICEの活用

 Automotive SPICEに限らず、各種のSPICEはプロセス参照モデルとプロセスアセスメントモデルの二つのモデルから構成されております。前者はプロセスを構築したり改善したりする際のヒントとして参照することを想定したモデル。後者はアセッサーがプロセスを評価する際に利用することを想定したモデルとなっております。
 しかし、Automotive SPICEはプロセスアセスメントに主眼を置いて策定されたため、プロセス参照モデルとしての付加的な情報をほとんど持っていません。つまり、このプロセスアセスメントモデルに記載された内容は、プロジェクト活動を行う視点では記載されておらず、安易な参照によって扱いにくいプロセスを生み出してしまっていることがあるため注意が必要です。
 一方、前述のSPICEの由来が示す通り、プロセスの構築や改善とプロセスアセスメントは一連の活動として位置づけるものです。
 プロセスを改善し、その実施状況に対してプロセスアセスメントを実施する。そして、アセスメント結果に基づいてプロセス改善を行う。この繰り返しによってより良い状態を目指していくということが、SPICEを活用していく本来の姿と言えます。
 アセッサー・アカデミーは、SPICEをより皆様の身近な存在にできるように、アセッサーの育成とプロセスアセスメントの普及に尽力して参ります。